コンクリート躯体劣化診断

躯体の状態を調べます

コンクリート構造物は半永久的な寿命を持つとされていますが、地震など様々な原因からひび割れが発生し、中性化や塩害、アルカリ骨材反応などが起こり、鉄筋がさび、コンクリートが割れ、時にはコンクリートが剥落して鉄筋が剥き出しになるといった現象が起こることもあります。
また、コンクリート構造物内部の鉄骨・鉄筋の位置の検知は、構造物の保守管理上必須です。
当社では、最新技術を駆使し表面割れや内部きずを早期検知して、構造物の安全性や品質を維持していくための資料をご提供します。

診断項目

配筋及び鉄筋かぶり厚さ調査

打設後のコンクリートについて、配筋状況を調査します。配筋のピッチからかぶり厚さまで内部の状況を調べます。3D化して可視化できます。

外壁調査

ゴンドラ及びスカイチェアーを用いて外壁のタイルから防水シールまで建物の外壁の劣化状態を調査します。主に目視調査ですが、赤外線等を使用し目に見えないきずまで探します。

コンクリート充てん度調査

打設後のコンクリートについて、コンクリートの充填度を調べます。超音波を利用し、透過強度から充填度を推定します。

中性化・コンクリート強度調査

コンクリート自体の劣化状態を調査します。中性化の進行状況やコンクリートの圧縮強度をしらべます。実際にコア抜きしてサンプルを切り出す方法とリバウンドハンマー(非破壊検査)による方法が選べます。

鉄筋径調査

鉄筋径が図面と整合しているか調査します。鉄筋径は引張り強度に大きく影響を及ぼします。はつりにより鉄筋を露出させる方法とX線(非破壊検査)による方法が選べます。

コンクリート変状部調査

ひび割れやジャンカなどコンクリートの異常部について調査します。X線や超音波を用い内部の状態まで診断が可能です。

たわみ・勾配・不動沈下調査

建物内のたわみや勾配状況を調べます。建物内の適所を測量することにより勾配の分布状況がわかります。

アンカーボルト長さ調査

打設後にアンカーボルトの長さを測定することが出来ます。金属面から超音波を入射することで反射エコーを計測します。

手法

目視調査


対象物の変状部を調べます。コンクリートひび割れ状況をスケッチ及び写真により記録し、竣工図面に落とし込みます。クラックスケールによりひび割れ幅も測定します。シール材の剥離状態やコンクリートジャンカの分布状態等の調査も行います。

放射線透過試験(X線)


携帯式X線装置を用い、X線フィルム上にコンクリート内部の情報を反映します。鉄筋や電配管等は白く、ひび割れは黒く、白黒の濃淡像としてフィルム上に写しこまれます。

レーダ調査


電磁波をコンクリート内に伝播させ反射してくる電波から対象物の位置及びかぶり厚さを測定する方法です。ハンディサーチを使用します。

超音波試験


超音波をコンクリート内に入射します。反射又は透過エコーからコンクリート内を推定します。透過強度からコンクリート充填度を推定します。超音波がひび割れを迂回する時間から幾何学的に深さを推定します。反射エコーから長さを測定します。

赤外線調査


建物の外壁を赤外線撮影します。温度変化を観察することにより、コンクリート及びタイルの浮き状況がわかります。配電盤の温度分布を調べることも出来ます。

打診調査


打診棒を使用し音の変化から変状部を探し出します。コンクリート及びタイルの浮きが検出可能です。

コンクリート強度試験(破壊試験)


実際に切り出したコンクリートコアを圧縮機にかけ実際のコンクリート強度を測定します。

コンクリート強度試験(非破壊検査)


リバウンドハンマーを使用しコンクリート強度を推定します。対象物を破壊することなく強度の推定が出来ます。

中性化試験


実際に切り出したコンクリートコアを半割し、フェノールフタレイン液を適用します。色の変化から中性化がどの程度進行したかわかります。

電磁誘導調査


プローブを磁性金属に近づけることによって発生する渦電流の二次電圧の変化を利用して鉄筋の位置、かぶり、鉄筋径を測定します。レーダ調査との違いは主に鉄筋径の測定が可能なことです。

タイル付着力試験


タイルの付着力を測定します。タイルに試験用アタッチメントを接着し、タイルが外壁面から剥がれるまで引っ張り、その時の最大荷重を求めます。

レベル測定(測量)


各所のレベルを測量します。測量した結果より、建物の勾配の程度を調査します。